特別養子縁組で父になってはじめて知った「特別養子縁組の”特別さ”」

特別養子縁組

はじめに

突然ですが、妻と娘の3人家族、僕たちは血の繋がりのない家族です。

妻と血の繋がりがないことは一般的ですね。
ですが娘は、父である僕とも、母である妻とも血の繋がりがありません。

僕たち夫婦は2016年に入籍しました。
僕が27歳、妻が26歳の夏のことでした。

子どもは欲しかったので、2017年にマンションを購入した時も子ども部屋を想定して、2LDKの間取りを選びました。

しかしながら、共働きでそれぞれのキャリアを追い求めたいということもあったので、結婚して2年ほどは「子どもを作らない期間」としていました。

29歳になったころ、そろそろ「子どもを作ろうか」という感じになりました。

避妊をしなければ、まわりの人たちと同じようにすぐ子どもができると思っていました

でも、できない。
1年経ってもできない。

お互いに不妊検査をしたところ、主に僕に原因があることが分かりました。

その後、手術を受けたりしましたが、自分と血の繋がった子どもと家族になることは不可能である、ということが分かりました。

僕たち夫婦に残された道は3つ。

  1. 夫婦ふたりの人生を歩むこと
  2. 妻とだけ血の繋がった子どもと家族になること
  3. 妻とも僕とも血の繋がっていない子どもと家族になること

約2年間の熟慮期間ののち、最終的に、
3.の「妻とも僕とも血の繋がっていない子どもと家族になること」を選びました。

2020年1月、新幹線に乗って東京から浜松へ、生後7日の娘を迎えにいきました。

あの日から2年半以上が経過し、娘は2歳8か月になりました。
今ではすっかりおしゃべりも一丁前になり、あれやこれやと僕に世話を焼いてくれています。

普段過ごしていても、”普通”の家族と変わらない。

でも、
「”特別”な方法で家族になったからこそ僕たち家族にしかない絆に繋がっているんだよなぁ」としみじみ思うことがあります。

前置きが長くなりましたが、
特別養子縁組で父になってはじめて知った「特別養子縁組の”特別さ”」について書いていきたいと思います。

”普通”養子縁組と”特別”養子縁組

まず特別養子縁組という言葉の「特別」について整理します。

これは「普通」養子縁組という制度に対する「特別」という表現ですので、両者の違いを明確にしておきましょう。
(以下の内容は、特別の断りがない限り厚生労働省HPの情報を参考にしております)

普通養子縁組

  • 戸籍上において養親とともに実親が並記され、実親と法律上の関係が残る縁組形式。

特別養子縁組

  • 子の福祉を積極的に確保する観点から、戸籍の記載が実親子とほぼ同様の縁組形式をとるものとして、昭和62年に成立した縁組形式。

一番の大きな違いは、制度開始の目的と戸籍の記載

その他、養親・養子の要件にも違いが見られますが、ポイントは次の2つです。

普通養子縁組特別養子縁組
1.制度開始の目的家の跡継ぎ(存続)を残すため子の福祉の確保
2.戸籍の記載(養子の続柄)「養子(養女)」と記載「長男(長女)」と記載
※民法817の2の記載あり

血の繋がった親子と血の繋がりのない親子

次に、血の繋がった親子と血の繋がりのない親子の違いについて。

もちろん生物学的な違いがあります。
遺伝子を引き継ぐがどうかによって、見た目だけでなく、特定の病気への罹りやすさなどにも影響があります。

それだけじゃないんじゃないか?

娘を迎えて半年が経ったときに、ふと思ったことがありました。

それは、
目の前にいる娘が僕たち夫婦の元に来てくれたのは奇跡に近いんじゃないか」ということ。

血の繋がった親子の場合は、お父さんとお母さんの遺伝子を引き継いだわけだから、すごく極端な言い方をすると、”目の前にいるこの子”であることはある種必然な訳です。

一方、血の繋がらない親子の場合は、常に”目の前にいるこの子”でなかった可能性がつきまといます。

  • 僕たち夫婦が不妊に悩んだタイミング
  • 子どものことを考えるのに疲れて小休止したタイミング
  • 色々と情報を集めて「不安でいっぱいだけど、よしっ!特別養子縁組で家族になろう」と決断して民間のあっせん団体に養親として申し込んだタイミング

そして、

  • 実親さんが私たちがあっせんをお願いした民間団体に相談をするという決断をしたこと及びそのタイミング
  • 娘をお腹のなかで大切に守り続けてくれたこと
  • 最後に実親さんが翻意をしなかったこと

これらすべてのタイミングが合致したからこそ、いま目の前にいる娘を迎えることができた。

この天文学的な確率に支えられた僕たち家族のはじまりに奇跡を感じるのです

色んな偶然が重なったから、目の前にいる娘と家族になることができた

娘の寝顔を見るたびに、
「この子じゃない可能性もあったんだよな…」と考えることがあります。

同じ団体で同じ時期に特別養子縁組を通して子どもを迎えたご家族とも交流があります。

「もしかしたら、自分の娘がそのご家族のもとへ、そのご家族のお子さんが僕たち夫婦のもとへ来る可能性も大いに有り得た」

ということを考えると胸がチクリと少し寂しい気持ちになります。

だからこそ、僕たち夫婦のもとに娘が来てくれたことに心から感謝しています。

うちに来てくれたのが、他でもない目の前にいる娘でよかったと胸が熱くなります。

特別養子縁組で父になってはじめて知った「特別養子縁組の”特別”」

それは、
「色々なタイミングが重なって、目の前の娘が僕たち夫婦のもとに来てくれたこと」。

そして、常につきまとう「この子じゃなかった可能性」。

これが今現在での僕の答えです。

おわりに

家族のカタチに正解なんてない。

正直、特別養子縁組の当事者になるまで、家族とは「血の繋がりのあること」だと考えてました。

しかし、自分が実際に当事者になることで、考え方が180度変わりました。

僕にとって家族とは何か?
ひと言でいうと「居場所」だと思っています。

戸籍が一緒かとか、一緒に住んでるかどうかとか形式的なものではない「こころの居場所」。

すごく抽象的な表現になってしまいますが、例えば、嬉しいことがあった時、悲しいことがあった時、真っ先に思い出すのが、家族だと考えています。

特別養子縁組以外にも世の中には色々な家族のカタチがあると思います。

ひとりひとりにとって、こころ許せる、こころくつろげる居場所が見つかりますように。

特別養子縁組については次の記事もございます!

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