はじめに
特別養子縁組を通して娘を迎えたのが、2020年1月。
生後7日で僕たち夫婦のもとへ来た娘もいまでは2歳8か月になりました。
娘を迎えることが決まってから娘を迎えにいくまでの8日間は怒涛のような日々でした。
- 子育てアイテムの準備
- 妻が職場の育休の調整
- 僕の職場の配偶者出産休暇(厳密には配偶者が出産してないけど)の調整
あっせん団体の先輩のパパさんママさんからも事前に聞いていたので、息つく間もない日々がやってくることは何となく予想ができていました。
高鳴る鼓動を感じながら、次のことを考えていました。
「娘が大きくなった時に、お腹にいた10か月間の話や陣痛の話、産まれてすぐの話はすることができない…」
でもだからこそ「『娘を迎える前にお父さんとお母さんが何を思っていたか』をちゃんと娘に話してあげたい」
そう考えた僕は、娘を迎えることが決まった当日から翌日、翌々日までメモを取ることにしました。
今回はそのメモをもとに、その時々に僕が思っていたことや感じたことを振り返りたいと思います。
特別養子縁組に興味がある方、これから特別養子縁組でお子さんを迎えることが決まっている方にとって有益な情報になれば幸いです。
簡単に時系列を整理しておきます。
- 1月8日(当日)
【19:00】待機家庭登録(=いつ委託の打診が来てもおかしくない状態)
【22:00】委託打診 - 1月9日(翌日)
【10:00】出産、名前決定 - 1月10日(翌々日)
会社手続き等 - 1月15日
娘を迎えに行く
娘を迎えることが決まった当日のこと
1月8日(水)夜22時、あっせん団体から連絡あり。
1月16日出産予定の女の子の受託打診。
急遽破水とのこと。
待機家庭登録当日の打診に戸惑うも、断る理由が見つからず30分後には受託の意思を伝える。
実のお母さんに頑張ってくださいと心から願う。
あわせて母に報告。
亡父にも手を合わせて健康に産まれてくることを願う。
翌日が仕事にも関わらず、驚きと興奮と緊張でほとんど睡眠が取れなかった。
名前を考えたり、羊を数えたりして眠気を待つ。
実母さんは名付けもこちらに任せてくれるようで、妻と候補を出し合うことになった。
二人で発表しあった名前の中に「○○○」というものが共通していた。
妻が「本当はずっとこうやって一緒に名前を考えたかったんだ」と漏らしたのを聞いて、愛おしく感じる。
娘を迎えることが決まった翌日のこと
1月9日、仕事中に電話が鳴った。
タイミングが合わず出られなかった。
数分後に携帯を確認。
あっせん団体の担当の方から無事10時ごろ2900gで産まれた旨メールあり。
ただただ安堵。
実のお母さんはなるべく早めの退院を希望してるとのこと。
帰宅後、妻と話して迎えに行くのは最短で15日が現実的との話になった。
病院にひとりぼっちにさせるのをかわいそうに思う。早くそばに行って声をかけてあげたい。
出生届の関係もあり、その日の夜に名前を決定した。
最終候補は「○○○」と「□□□」。
音の響き、あとは漢字を気に入ったことから満場一致で「□□□」に決定。
お互いに両親に報告する。
すぐに母から1月の勤務表が送られてきて、1月9日の欄に早速「□□□誕生日」と書かれていてすごく嬉しかった。
近くには居てあげられないけど、この名前が最初のプレゼント。
気に入ってもらえるといいな。
娘を迎えることが決まった翌々日のこと
名前が決まったことで、これまで漠然としていたイメージにおぼろげに輪郭が付き始める。
これまでは何かあると妻のことを思い出すことが多かったけど、頭の中に浮かぶのは娘のこと。
暇してないか、寂しい思いをしていないか、気にかかる。
おまけ:娘を迎えて1週間が経って
娘を迎えて7日目の朝、丸ノ内線荻窪駅の電車内にて。
初日〜2日目は急に家族が一人増えてすごく不思議な気分だった。
3日目以降は居るのが当たり前で、5日目以降は失うのが怖くなった。
ミルクの飲む量が増減するだけでこんなにも心を揺さぶられる。
うんちが出ないことにヤキモキする。
息をしていることに安堵する。
まだ慣れないこともたくさんあるけど、妻と娘と自分、この3人の組み合わせが好きだ。
妻をしっかりと見ていてあげる。それが娘を見てあげることに繋がる。
おわりに
振り返ってみて僕自身もすごく懐かしい気持ちになりました。
いまでも覚えてるのが、
娘が産まれてから迎えに行くまでのあいだ、
「娘が暇してないか」
「娘が退屈してるんじゃないか」
と本気で心配していました。
そのことを妻に伝えると、
「赤ちゃんに暇とかないから大丈夫。」
ニヤニヤしながら鼻で笑われたのは、いまとなっては良い思い出です。
僕たち夫婦の場合は、
・民間でのあっせんだった
・その中でも待機家庭登録から受託までが短期間だった
そのため、なかなか一般化できないかもしれませんが、皆さまのお役に立てていればこれ以上嬉しいことはありません。
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